グランマはモノに愛情をかけてきた
グランマはどんなモノも丁寧に扱い、きちんと保管してきた。
モノに愛情をかけながら暮らしてきた人。
クーラーのない時代、食卓には涼しげなガラスの食器が並ぶ。
料理好きで、季節ごとに器を使い分けていた。
たくさんの花器を持ち、楽しみながら季節の花を生ける。
花好きで、小さい庭はいつも綺麗に手入れされ、道ゆく人の目を楽しませた。
着物好きで、着用した後は丁寧に自分で手入れして箪笥に収める。
おかげで、ママまで三代着た着物も多い。
洋服も綺麗に手入れして、着なくなった古いものまで残していた。
私の産着や、赤ちゃん時代の手作り洋服まで保管していた。
通知表は全部残してあった。
亡くなった父の衣服なども、全部とってあった。
ムスメが「生前整理」強行を決断
グランマは段々足腰が弱ってきたので、ムスメは対策を考える。
二階屋だったが、一階だけで暮らしが完結できるよう少し改造し、家具の配置も変えた。
そして、「生前整理」を始める。
「それ、とっといて〜」の懇願を振り切り、どんどんモノを仕分けしていく。
あまりに古いモノ、どう考えてもこれから先使わないだろう、と思われるモノから捨てて行く。
なんせ遠距離に住んでいるので、里帰りの期日は限られている。
アレコレ迷っている時間はなかった。
メルカリなんぞに売る余裕もない。
グランマはすっかり落ち込んで、涙目。
「お父さんのボーナスが入る度に、一つずつ揃えたんよ」
「写真に撮ってあるから!」と、鬼ムスメは慰めにもならない言葉をかける。
断捨離?
身軽で快適な生活と人生を手に入れようとする思想である。
ヨーガの行法が元になっているため、単なる片付けとは異なるものとされている。
やましたひでこが2009年に出版した『新・片付け術 断捨離』(マガジンハウス)のヒットにより一般に知られるようになった。
やましたの著書のヒットにより「断捨離」は流行語となり、翌2010年には新語・流行語大賞にノミネートされた。
断捨離ブーム」によって、やました以外にも多数の著者により断捨離を扱った本が出版されるようになり、仕事や人間関係などについて断捨離の実践を勧める書物も出版された。
であるから、ムスメが強行したのは強行「生前整理」であり、「断捨離」ではない。
断捨離にあたり、極力やってはいけない事、やるとよけいな問題とストレスが発生することは、
●人の物を勝手に捨てる
●自分の価値観や意見を押し付ける
●おどすー 今に自分で整理できなくなってゴミ屋敷になるよ!
と言われている。
これらの事に、ことごとく反した行いであった。
ごめんね、鬼ムスメで。
強行突破の効果
しだいに母も一階だけの生活に慣れ、モノの整理にアレコレ言わなくなった。
主に、母が上がらない二階を片付けていたせいもある。
ムスメは、里帰りの度にシャカリキになってモノを捨て続けた。
おかげで、二階のモノはほぼ整理を終えることができた。
今日の種 
・断捨離と生前整理は違います
・できればゆっくりと時間をかけ、家族の意向を汲み、モノと向き合いながら整理を進めましょう。
May this small seed sproud in your field.
See you.