Kindle Unlimited シリーズ
子供は褒めて伸ばせ!! 禁止語は使わないで、と最近よく言われる。
そのハウツーを求めて本書を選んだ。
発達の気掛かりな子どもの上手なほめ方しかり方 ー応用行動分析学で学ぶ子育てのコツ
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B007VAGS5S/ref=ku_mi_rw_edp_ku
子どもを変えるしつけと教育のQ&A。
「応用行動分析学」を利用した子どものほめ方、しかり方を紹介。
「応用行動分析学」を全く学んだことがなくてもすぐ使うことができ、効果を確かめることができるように「上手なほめ方しかり方」の事例を挙げ、その原理もやさしく説明している。
著者 = 山口薫
Kindle版通常価格¥1,604 新品単行本¥1,980・中古¥310より
2010年1月出版
⭐︎ 4、3 30個の評価
この本から得られた情報
・子どもを育てる教えるということは、子どもが 望ましい行動を早く確実に身につけ、望ましくない行動を早く確実に弱めるために、どんな環境を準備したらいいのか、ということ
・特に、上手なほめ方しかり方が大事
・怖いのはレッテル貼り
検査で障がいの診断名がつくと、子どもの行動全てを障がい由来とし、
子どもの行動を変える環境の軽視につながる
望ましい行動の強め方
①行動のたびにほめる、ご褒美をあげ
ー【正の強化】 教育場面で使える
②予め罰を与えておき、行動のたびに罰を取り除く
ー 教育場面では使えない
望ましく無い行動の弱め方
①望ましくない行動のたびに、罰を与える
しかし、へたに「しかる」とかえってその行動が強められることがある
②あらかじめご褒美をあげておき、望ましくない行動のたびにご褒美を取り上げる
③望ましく無い行動に、知らん顔をしている
消去という方法で、軽い問題行動を弱めるのに効き目がある
まず ③ を使ってみて、効果がなければ② を、 ① は最後の手段
上手なほめ方叱り方十ヶ条
①心からほめる
子どものできた!という成功感・成就感を大事に子供と同じ気持ちになって
②毎回見逃さず、すぐほめる
毎回必ず、それが無理ならできるだけ見逃さず
時間をおかず、すぐほめる
③子どもにとって身近な親しい人からほめられる
父母、担任の教師、一番偉いと思っている園長校長先生から
④ほめる事で子どもに成功感・成就感を与え、やる気UP
次第に、自分で自分をほめる事(自己強化)ができるようになる
⑤諦める前に、small step にわけて、できたことを褒める
⑥その子の、今現在一番効き目のあるご褒美を探す
お菓子などの具体物でも、必ず「ほめる」ことを一緒にする
そうするうちに、「えらかったね」といった社会的強化が効果を持つ
⑦駄々コネやちょっとした悪戯は、叱らないで知らん顔
知らん顔(消去)を続ける
一度でもなだめたり叱ったりすると、元の木阿弥
最もダメなのは、「ダメ」と言いながらもやらせてしまうこと
⑧できるだけ叱らない
叱り続けると効果が薄くなる
同じ効果を上げるためには、罰を強くし続けなければならない
⑨どうしても叱る必要のある時は、短くキッパリと
くどくど言って聞かせても効果なし
危険なことは、身体を押さえてでも断固やめさせる
⑩叱りっぱなしにせず、最後は褒めて終わらせる
「〇〇をしなくて偉かったね」ではなく、
「お母さんの言うことを聞いていい子ね」とだけ言う
叱る事とほめる事の組み合わせ
望ましくない行動には知らん顔
望ましい行動はほめる
上手なほめ方とは
ほめ方には4種類ある
発達の順序で並べると
① 飲み物・食べ物で褒める
赤ちゃんには「言葉でほめる」ことは意味がない
② 具体物で褒める
ジュースやお菓子、絵本んを読んであげる等
必ず、③ や ④ を一緒に与える
③ 頭をなでたり、抱きしめる
母親などによる社会的強化
④ 言葉でほめる
社会的強化の最終段階
Q& A より
① 発達に著しい偏りがある場合
日常の行動をよく観察し。その子独特のほめ方を探す
(ボロ布を裂くことや、特定の童謡を聴かせる、等)
【強化子】
② 見逃さないで、毎回行動の直後にほめる
強化と時間的に一致した行動が最も強められる
【連続強化】【即時強化】【オペラント随伴性】
③ ②が難しい場合でも、できるだけ心がける
やがて、回数を間引いても、少し遅れても効果が維持できるようになる
【強化スケジュール】
④ できるのを待つだけでなく、適切な補助も必要
必要なだけ援助して、だんだん援助を少なくしていく
【漸次接近】
⑤ ご褒美を与えないと何もしなくなるのではないか
一切強化を受けない行動は弱くなっていく
行動を維持するためには、
・具体物→言葉などの社会的強化に置き換えていく
・同じご褒美でもだんだん間引いていく
【間欠強化】
感想
「褒めて育てる」ことの本質が、応用行動分析学の理論をもとにまとめられている。
「ほめ方」と一言で言っても、技法はさまざま。
Q&A が豊富で、それぞれ理論に基づいた具体的な解決方法が示される。
ピッタリではなくとも、どれかが現実の育児に当てはまりそう。
根拠がしっかりしているので、解決方法の基本が心に残る。
何度も読んで実際の育児に生かしていこう、と前向きに考えさせてくれる本。
巻末に応用行動学の理論の概要がまとめられているが、もう少し実態に則した詳しい解説が読みたいと思った。
もっとも学術的な入門書ではないので、これくらいで十分なのであろう。
途中で4コマ漫画が挟まれ、内容の理解が助けられる。
読んでみてよかった、と思える本であった。
きょうの種 
・適切なほめ方叱り方で、子どもの成長を促す環境を用意しましょう。
・叱るよりも、ほめる(正の強化)方が、良い効果が得られます。
・「障がい名」というレッテル貼りは、意味が無いばかりか有害です。
May this small seed sproud in your field.
See you.